こんにちは。

三重県四日市市で民間のことばの教室「ことばを支援するSakuLag」を運営している、言語聴覚士の柿森です。

 

今日は、菰野町様からのご依頼で令和6年2月に開催した、飲み込み相談に参加された方の、半年後の後追い調査を行いました。

 

※写真は2月に同時行ったむせ予防講座のもの

 

後追い調査というのは、2月にむせ込みのご相談に来られた菰野住民の方々へ、僕が個別に評価してアドバイスを行った結果、現在どのような状態になっているかを確認するというものです。

 

結果は、聴取できた方の全てで飲み込み能力に改善がみられ、症状がほとんどなくなったという方ばかりでした。

 

正直いうと、ここまでの良い結果を想像できていませんでした。

 

僕はこれまで脳卒中や進行性難病による嚥下障害の支援を行うことが多く、健常高齢者の加齢による嚥下機能の低下に対する支援はほとんど初めての経験でした。

 

言語聴覚士が関わることで、健常高齢者の嚥下に対する悩みを解消してあげられることを強く実感しました。

 

 

 

相談に来られた方にお話しを聞いていくと、かかりつけの医師や歯科、耳鼻科、看護師には皆さん相談していたそう。

 

でも返ってくる返答は「歳だからしかたない」「気をつけて飲んで」など、悩みを解決できるものではなかったそう。

 

また、姿勢等でも解決できる程度の嚥下機能の低下であっても、とろみをつける指導をさえるケースもあったようです。

 

この背景にあるのは、地域に言語聴覚士がいないことです。

 

嚥下機能を評価し、包括的に方針を立てられる専門職が必要だと改めて感じました。

 

 

 

今日お話ししたある方は「ムセがなくなった」と大変喜ばれて入室されてきました。

 

僕が評価したところ、嚥下音はまずまず良好でしたが、むせ込みへの恐れから、過度に小分けしにて水を飲まれていました。

 

なんとコップに3分の1程度の量を、13回に分けて飲んでいたのです。

 

一口に含む量はティースプーンですくうより少ない量になります。

 

これでは食事に時間がかかって大変ですし、途中で疲れてしまいます。

 

摂取量も少なくなってしまうでしょう。

 

そこで、飲み込みやすい姿勢である “ 顎引き飲み “ を意識し、一口の量を少し増やすことを提案しました。

 

実際にやってみると、やはり問題なく嚥下できました。
これには、ご本人も驚かれたとともに、とても喜ばれました。

 

 

 

この方は、今日お会いしたことで今後の食事がしやすくなりました。

 

逆に、お会いしなければ、これからもわずかずつ口に含む方法を続け、大変な食事を続けていたことでしょう。

 

このように、専門的かつ包括的に食事を支援できるのが言語聴覚士です。

 

これからも地域に隠れている困りごとをもっと捉え、少しでも多く解消できるように頑張っていきます。

 


【ことばを支援するSakuLag】

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