こんにちは!
三重県四日市市にある民間のことばの教室「ことばを支援するSakuLag(サクラグ)」です。
今回は家庭できる失語症のリハビリ方法についてお話ししていきます。
1. 指示の聞き取り練習
ご家族の言った指示に従って動作するという練習です。
例えば
・醤油とって
・冷蔵庫からマヨネーズとってきて
・テレビのチャンネルを〇〇に変えて
・ラップをかけてから電子レンジで3分温めて
などのお願いをして、正しく応じられるかという練習です。
これは特別に練習の時間を設けなくても、日常のやり取りの中で行うことができますので、とても取り組みやすいかと思います。
中には身体麻痺により体が動きにくい、半盲により視野が狭くなっているなど、失語症以外の障害をお持ちの方もいらっしゃいますので、ご本人ができる範囲での指示を出すように意識すると良いでしょう。
2. 絵カードを使った練習
絵カードを使用して、さまざまな練習を行うことができます。最近は100円ショップなどでも絵カードが販売されていますので、お手軽に用意することができますね。
例えば
・絵の名前を言う
・絵の名前を文字で書く(ひらがな・漢字)
・描かれているものがどんなものかを説明をする
・同じ仲間同士で分ける
・1枚の絵を使って文章を作る
・2枚の絵を使って1つの文章を作る
など
描かれているものがどんなものかを説明する練習では、何のことを説明しているかを当てるというクイズ形式にすると、より楽しく取り組むことができます。
3. しりとり
この簡単な遊びが失語症のリハビリにもなります。
もし、なかなか言葉が思い浮かばない時には、「赤い果物」「青森が有名な産地」などの意味の側面からのヒントを出してあげましょう。
それでも思い浮かばない場合には「りん…」など、音の側面からのヒントを出してあげてください。
思い浮かべた言葉を紙に書いていくと、文字の練習にもなります。
3. 5行日記
毎日、1日の終わりに日記をつけるという練習です。
5行としているのは、あらかじめ書くことを5項目に絞っているからです。
その5項目とは
①日付
②その日の天気
③その日の服装
④その日何を食べたか
⑤その日の感想を1行で
です。
文字や文章を書く練習だけではなく、考えをまとめる練習や記憶を辿る練習にもなります。
大それた内容は書かなくてもいいので心理的なハードルも低く、取り組みやすいかと思います。
4. 歌唱
喋り言葉の苦手さが大きくても、歌を歌うことは驚くほど上手にできるというケースがあります。
ポイントは聞き慣れた懐かしの曲を歌うこと。頭で思い浮かべなくても、自然と口から歌詞が出てくるほど慣れ親しんだものが良いです。
特に、言葉が思い浮かびにくく話す頻度が極端に低下している方には、歌を歌って今ある能力を活用しつつ、喋る感覚を感じていきたいですね。
5. プリント課題
今や、インターネットで検索すればほとんどの情報が手に入るようになりました。
失語症のリハビリ課題においても例外ではなく【 失語症 リハビリ教材 】などと検索すれば、無料で教材を提供しているサイトがたくさん出てきます。
それらから教材を印刷し、余暇時間に取り組むのも良いでしょう。
サイトにはたくさんの種類の教材が載っています。ご本人に合った教材がわからない場合は、今お世話になっている言語聴覚士に聞いたり、言語聴覚士とのリハビリの時に取り組んでいるものに似たものを行ったりすることをお勧めします。
最後に
失語症の方は、上手く話せないことに特にストレスを大きく感じます。
そのため、日常のやりとりや普段のリハビリだけでも、心理的に大きな負担を抱えることになります。
ご家庭でのリハビリは言語能力の回復に有用ではありますが、これらのことを踏まえるとご本人の負担の少ない取り組み方が重要となってきます。
無理に行うとコミュニケーションに対して消極的になってしまうこともありますので、ご本人の意欲・意向を確認しつつ、量や時間を決めて進めていくことが、継続して取り組めるコツとなるでしょう。
【ことばを支援するSakuLag】
・三重県四日市市桜町 四日市ICから車で5分
・言語聴覚士が運営する民間のことばの教室
・人生の潤いをコミュニケーションからサポート
・医療・福祉現場で13年目のキャリア
・ホームページ:https://kotoba-sakulag.com