こんにちは!
三重県四日市市にある民間のことばの教室「ことばを支援するSakuLag(サクラグ)」です。

今回は失語症の症状について少し詳しくお話ししていきます。

失語症は「聴く」「話す」「読む」「書く」の障害ですが、これらにどのような症状が出るのでしょうか。


聴く

失語症における「聴く」力の低下は、通常の会話や指示が理解しにくくなったり、全く理解できなくなります。この状態は、海外の知らない言語を話されているのと似たような感覚です。例えば、誰かが話している内容が、単に意味のない音のように聞こえたり、単語やフレーズの意味を取り違えたりすることがあります。重症度によって症状の大きさは異なり、長文の理解は難しいが短文であれば十分に理解ができる程度から、単語で何とか理解ができる程度と、人によって様々です。

 

このような聴く力の低下は、日常生活に大きな影響を与えます。例えば、簡単な指示を聞き逃したり、会話の流れについていけなくなったりするだけでなく、それが原因で人との交流に消極的となり、社会生活自体に悪影響を及ぼしていきます。

 

これらは、話しかけ方を工夫することで、いくらか理解を助けることができます。例えば、できるだけ短い文章でゆっくりとした速度で話しかける、身近な語彙を使用する、読字障害が軽い人には文字を提示するなどの方法があります。英語を習いたての私たちが、これらの方法で話しかけられると内容を理解しやすかったことを思い返してもらうと納得しやすいかと思います。

 

話す

失語症における「話す」力の低下は、適切な言葉を思い浮かべたり、適切な文章を構成したり、綺麗に発音したりすることが難しくなることを特徴としています。

 

例えば、言いたいことがあってもそれを表現するための適切な言葉が思い浮かばず、話している途中で言葉が途切れ、次に何を言えばいいかがわからなくなることがあります。また、発音が不明瞭になったり、言葉をうまく組み立てられなくなったりするため、相手にとっては何を言っているのか理解しにくくなることがあります。この他にも、目的の言葉とは異なる言葉を言う、同じ言葉やフレーズを繰り返す、言葉が支離滅裂になるなんてこともあります。

 

話し相手としての会話の手助けとしては、十分に間を持ちながら言葉が思い浮かぶの待ってあげる、言いたい言葉が推測できる場合にはさりげなく言ってあげるなどの方法があります。うまく話せないことで、時には精神的な落ち込みが見られることもありますので、会話の負担を軽減してあげて楽しくやりとりできることが重要となります。

 

読む

失語症における「読む」力の低下は、文字や文章を理解することが困難になる症状を指します。この状態では、文字単語を認識してもその意味が理解できなかったり、文章を読んでも内容が頭に入らないことがあります。文字を目で追うことができても、それが何を意味しているのかが分からず、文章全体の意味がつかめないという状態です。人によって症状は様々で、文章が読めたとしても、理解に時間がかかり、複雑な文章では非常に困難となるケースもあります。また聴くよりも読む方が理解しやすいというケースもあります。

 

書く

失語症における「書く」力の低下は、言葉を文字として表現する能力に障害が生じることを示しています。この状態では、正しい文字を思い浮かべることが難しくなり、書こうとしても誤った文字や単語を書いてしまうことがあります。簡単な単語でさえも綴りが分からなくなり、文字を書いている途中でどのように続ければよいのかがわからなくなることがあります。中には書く力が低下していながらも、文字を書くことで話し言葉を思い浮かべる手がかりとなるケースもあります。

 

最後に

「聴く」「読む」「話す」「書く」についてご紹介しました。同じ失語症でも症状や程度は一様ではなく、人によって様々です。適切なリハビリテーション、環境整備、手助けを行うためには、その方の状態を見極める必要があり、これには、言語聴覚士などの専門職の手を借りることが必要不可欠となります。すでに言語聴覚士からの支援を受けている方は、積極的に疑問を投げかけ、アドバイスを求めると良いでしょう。言語聴覚士の支援が身近にない方は、役場の相談窓口等の他、オンラインで活躍している言語聴覚士にアクセスしてみるのも良いでしょう。

 


 

【ことばを支援するSakuLag】

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・言語聴覚士が運営する民間のことばの教室

・人生の潤いをコミュニケーションからサポート

・医療・福祉現場で13年目のキャリア

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